Japanese
English
特集 SLEとAAVの新展開
総論
AAVにおける免疫異常と腎障害:UpToDate(NETosis以外)
Immune abnormalities and renal injury in ANCA associated vasculitis UpToDate (excluding NETosis)
川畑 仁人
1
KAWAHATA Kimito
1
1聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科
キーワード:
制御性T細胞
,
Tph細胞
,
自己抗体
Keyword:
制御性T細胞
,
Tph細胞
,
自己抗体
pp.924-929
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000772
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
ANCA関連血管炎(ANCA associated vasculitis:AAV)は,原発性全身性血管炎のなかでも,主に小血管(毛細血管,細静脈,細動脈,および小動脈)が侵され,免疫沈着を認めないもしくはほとんど認めない壊死性血管炎であり,ミエロペルオキシダーゼ(myeloperoxidase:MPO)特異性ANCAまたはプロテイナーゼ3(PR3)特異性ANCAとの関連が強い。AAVとして分類されている疾患は,多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)および顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA),好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)であり,いずれも小型血管炎を主徴とするため毛細血管のある部位ではどこでも症状を呈しうるが,特に腎と肺はともに重要な標的臓器となっている。その病態に深くかかわる免疫学的な現象としてMPAやGPAではNETosisが,EGPAではETOsisがよく知られているが,本稿ではMPAおよびGPAにおけるNETosis以外の免疫学的異常について触れる。病態として自己反応性T細胞およびB細胞の相互作用から自己抗体産生,そして自己抗原を表出した好中球表面への自己抗体の結合,補体の活性化,NETosisといった流れが想定されており(図)1),これらの免疫担当細胞や分子の関与について,この流れに沿ってみていきたい。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.