Japanese
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特集 腎臓の自動制御機構
【各論】
Kホメオスタシス 高アルドステロン症と低カリウム血症
Hyperaldosteronism and hypokalemia
橋本 弘史
1
,
安西 尚彦
1
HASHIMOTO Hirofumi
1
,
ANZAI Naohiko
1
1千葉大学大学院医学研究院 薬理学
キーワード:
高血圧
,
体液調節
,
レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系
Keyword:
高血圧
,
体液調節
,
レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系
pp.731-735
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000374
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はじめに
カリウムイオンは細胞内の主要な陽イオンであり,静止膜電位を形成している。全身のカリウムの約98%は細胞内に存在し,2%だけが細胞外液にあり,正常では血清カリウムは3.5~5.0mMの範囲に維持されている。カリウムは,消化管からのカリウム吸収,細胞内外の移動,および腎臓と腸管からのカリウム排泄のバランスによって調整されている。健常人では,カリウム排泄の90%が尿,10%が腸管であることから,腎臓によるカリウム調節機構が血清カリウム濃度に影響を与える。カリウムは,近位尿細管とヘンレループで100%再吸収されるため,この後の集合管における再吸収および分泌調節が血清カリウム濃度を規定し,ここで作用するアルドステロンが重要となる。
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