Japanese
English
特集 IgA腎症―最新の知見
【予後と関連する組織学的因子】
組織学的重症度分類(JHGC分類)とOxford分類の比較
Comparison between the Japanese Histological Grade Classification and the Oxford Classification
城 謙輔
1
,
坂口 涼子
1
JOH Kensuke
1
,
SAKAGUCHI Ryoko
1
1東京慈恵会医科大学 病理学講座
キーワード:
組織学的重症度分類(JHGC分類)
,
Oxford分類
,
split system
,
lumped grading system
,
A/C亜分類
Keyword:
組織学的重症度分類(JHGC分類)
,
Oxford分類
,
split system
,
lumped grading system
,
A/C亜分類
pp.1009-1016
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000203
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
IgA腎症は,大半は慢性腎炎症候群で発症し自覚なしに進行するが,ときに急性腎炎様の症状を呈する。腎生検により確定診断されるが,その病期はさまざまである。そのため,積極的治療の対象となる急性活動性病変と予後を決定する慢性病変に関して,それらを総合的に評価することが必要となる。そして,これらの病変の多様性を臨床病理学的見地から整理したのが組織分類である。IgA腎症の組織分類については,組織学的重症度分類(Japanese Histological Grade Classification:JHGC分類)とOxford国際組織分類(Oxford Classification of IgA Nephropathy:Oxford分類)が代表的で,病理診断にはそれらを並記するのがわが国では一般化している1~3)。しかし,その効用について,いまだ十分な吟味がなされていない。厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 進行性腎障害に関する調査研究班IgA腎症分科会ならびに日本医療研究開発機構(AMED)研究「IgA腎症の腎病理所見と予後の関連に関する前向き多施設共同研究(Japan IgA Nephropathy Cohort Study:J-IGACS)」研究において,2005~2015年の前向き研究のデータ登録が終了し,現時点で946症例の臨床病理データが蓄積された。そこで,このデータベースを用いて,JHGC分類とOxford分類を成立過程からもう一度吟味し,各々の分類のpros(長所)& cons(短所)を考察する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.