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特集 COVID-19と腎臓病
【診断・治療】
各種変異株の特徴と対処法
SARS-CoV-2 variants
馬場 啓聡
1,2
BABA Hiroaki
1,2
1東北大学病院 総合感染症科
2東北大学大学院医学系研究科 感染制御インテリジェンスネットワーク寄附講座
キーワード:
SARS-CoV-2
,
遺伝子変異
,
変異株
Keyword:
SARS-CoV-2
,
遺伝子変異
,
変異株
pp.147-151
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000026
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はじめに
一般的にウイルスは,感染・複製・増殖の過程を繰り返すなかで自らの性質を変異させていく。2019年末に中国・武漢ではじめて確認された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は,重症急性呼吸器症候群(SARS)・中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスと同じβコロナウイルス属に属する,一本鎖プラス鎖RNAウイルスである。RNAウイルスのなかでは例外的にゲノム複製時の校正機能をもつため,SARS-CoV-2の変異速度は2週間に1塩基程度と比較的遅い。また,生じた変異のほとんどはウイルスの性状に直接影響を与えるものではないが,未曾有のパンデミックにより,世界中の膨大な数の宿主中で複製と増殖が繰り返された結果,2020年末頃より世界各地で,従来型に比べ伝播性の強い変異株が相次いで報告され,各国の公衆衛生に深刻な影響を与えている。
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