Japanese
English
今月の特集 COVID-19と臨床検査—得られた知見を今後の医療に活かす
COVID-19のウイルスゲノム解析
A comprehensive review of SARS-CoV-2 genomic analysis
志村 貴子
1
,
宮 冬樹
1
,
小崎 健次郎
1
1慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター
キーワード:
新型コロナウイルス
,
SARS-CoV-2
,
サブゲノム
,
TRS
,
ウイルスゲノム解析
,
変異株
Keyword:
新型コロナウイルス
,
SARS-CoV-2
,
サブゲノム
,
TRS
,
ウイルスゲノム解析
,
変異株
pp.916-926
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203386
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Point
●コロナウイルスの1つである新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はプラス鎖のRNAウイルスであり,5′側からメッセンジャーRNA(mRNA)としてそのまま翻訳されるのと並行して,3′側から不連続に転写されたマイナス鎖を鋳型として複数のmRNAを合成することで,多種のタンパク質を作り出す複雑な仕組みをもつ.
●ゲノム解析技術の発展により,SARS-CoV-2であれば検体採取から数時間以内に全ウイルスゲノム配列を決定できるようになった.そしてその配列データはデータベース化され,全世界で共有されている.
●ウイルスは自身のゲノムの変異により感染力や病原性を変化させながら生き残りを図っている.そのウイルスゲノムを解析することで,ウイルス株の伝播動態や変異株の発生などを即時的に把握し,院内感染対策や行政施策,創薬研究などに活用することができる.
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