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特集 COVID-19と腎臓病
【感染予防】
COVID-19クラスター発生時の透析ユニットにおける対応
Our experience regarding HD unit operation against the emerging of COVID-19 cluster
寺脇 博之
1
,
伊藤 靖子
1
,
根本 佳和
1
,
和田 佑一
2
TERAWAKI Hiroyuki
1
,
ITO Yasuko
1
,
NEMOTO Yoshikazu
1
,
WADA Yuichi
2
1帝京大学ちば総合医療センター 腎臓内科
2帝京大学ちば総合医療センター 病院長
キーワード:
COVID-19
,
飛沫感染
,
ゾーニング
Keyword:
COVID-19
,
飛沫感染
,
ゾーニング
pp.125-129
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000022
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はじめに
COVID-19は,おそらくはその由来として2019年末の中国湖北省武漢市に端を発すると考えられる1)新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症であり,日本時間2021年11月23日17時の時点で全世界での罹患者数延べ258,276,402人,死者5,159,431人2)という,近来類をみない災禍をもたらした。その感染経路はほとんどのウイルス感染症と同じように接触感染+飛沫感染と考えられる3)が,感染伝播の観点でのかぜ症候群の代表格であるインフルエンザウイルスとの主な違いは,眼にはSARS-CoV-2の受容体であるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)が強発現しているため4)鼻・口に加えて眼も飛沫感染の門戸になりうる,鼻汁よりも唾液にウイルスが多く含まれる5)ため飛沫感染がより容易に成立しやすい,同様の理由で唾液交換や(感染者が口をつけた)水道管を介した接触感染が成立しうる,人工材質上での安定性が高くステンレスやガラス,合成樹脂上で72~96時間にわたり存在しうる6)ため汚染環境由来の接触感染が成立しうる,等々多くを挙げることができる。インフルエンザウイルスと異なるこういった感染伝播のあり方を意識することは,集団で治療を行う血液浄化ユニットにおける二次感染の回避対策を立案するうえできわめて重要である。
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