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特集 胃癌内視鏡診断の最新ムーブメント―H. pylori陰性胃癌のすべて
[各論 H. pylori除菌後胃癌]
[除菌後浸潤胃癌(私が経験した症例)]
《Column》除菌後長期経過で発見しえた未分化型小胃癌
A case of small undifferentiated gastric cancer found long after H. pylori eradication
岩田 英里
1
,
杉本 光繁
1
,
永田 尚義
1
,
松林 純
2
,
河合 隆
1
Eri IWATA
1
,
Mitsusige SUGIMOTO
1
,
Naoyoshi NAGATA
1
,
Jun MATSUBAYASHI
2
,
Takashi KAWAI
1
1東京医科大学病院内視鏡センター
2同 病理診断科
キーワード:
invasive undifferentiated gastric cancer
,
eradication therapy
,
Helicobacter pylori
Keyword:
invasive undifferentiated gastric cancer
,
eradication therapy
,
Helicobacter pylori
pp.201-203
発行日 2022年2月25日
Published Date 2022/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000041
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はじめに
日常臨床の現場でHelicobacter pylori(H. pylori)除菌治療が普及し,日本人のH. pylori感染率が徐々に低下傾向を示すなか,全胃癌症例に占める除菌後胃癌の割合が上昇しつつある。除菌後胃癌の形態学的な特徴は比較的小型で発赤した表面陥凹型の分化型腺癌であり,低異型度の円柱上皮(epithelium with low grade atypia:ELA)が腫瘍表層に出現することである1)。一方,除菌後に発症する未分化型胃癌の報告例は少なく,その病態や特徴は不確かな点が残るが,分化型よりも浸潤して発見されることが多いことが特徴とされる2)。そのため,除菌後胃癌として未分化型胃癌が発症した場合には生命予後にも影響を及ぼす可能性があることから,特に除菌治療後10年以上経過してサーベイランスを行う際には注意深い評価が必要と考えられている3)。
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