Japanese
English
特集 消化管感染症のすべて2025
Ⅰ.口腔−食道
(C)寄生虫感染症
食道アニサキス症
Anisakiasis in the upper esophagus
樺 映志
1
Eiji KAMBA
1
1順天堂大学医学部付属順天堂医院消化器内科
キーワード:
食道アニサキス症
,
胸痛
,
寄生虫
Keyword:
食道アニサキス症
,
胸痛
,
寄生虫
pp.61-64
発行日 2025年12月24日
Published Date 2025/12/24
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002345
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
疾患の概要
胃腸アニサキス症は,生または加熱不十分な魚介類に存在するアニサキス属線虫の摂取によって生じる人獣共通寄生虫感染症である。この病気は1960年にvan Thielらによって初めて報告され1),さまざまな胃腸症状を引き起こす寄生虫性胃腸疾患である。アニサキス症の原因である線虫の多くは,アニサキス亜科のアニサキス属に分類される寄生虫である。アニサキス属には9種のアニサキス属線虫が存在し,アニサキス亜科幼線虫のなかでヒトに感染するものはAnisakis simplex,Pseudoterranova decipeiens,Contracaecum osculatum,Hysterothylacium aduncumの4 種が知られている。線虫の成虫はクジラ,イルカなどの海産哺乳類の消化管に寄生しており,成虫が産んだ卵が海水中で発育して幼虫となる。その幼虫をアミ類が摂取し,幼虫に感染したアミ類を魚類やイカ類が摂取し,さらに感染した魚類・イカ類をヒトが経口摂取することで人体に侵入しアニサキス症を発症する。アニサキスはヒトが最終宿主ではないため人体内で自然死滅する。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.

