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特集 消化器内視鏡寸言集2025
Ⅴ.大腸・肛門
黄色調の粘液付着はSSLを疑え
Suspect an SSL when you see yellowish mucus adhering to the mucosa
今枝 博之
1
,
宮口 和也
1
,
山田 健人
2
Hiroyuki Imaeda
1
1埼玉医科大学消化管内科,総合診療内科
2埼玉医科大学病理診断科
pp.586-587
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002025
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解説
大腸鋸歯状病変のうちsessile serrated lesion(SSL)は右側結腸に好発し,有病率は5%程度とされる。鋸歯状病変におけるSSLの割合は6mm以上で有意に上昇する1)。SSLにおける細胞異型の合併率も6mm以上で有意に上昇すると報告されている2)。粘液分泌が多く,病変のみが粘液に覆われた状態(mucous cap)や病変輪郭に便が残った状態(rim of debris)を呈することがある。粘液で拡張した腺管開口部はnarrow band imaging(NBI)非拡大観察では褐色調・点状に認識され,拡大観察ではexpanded crypt openings,JNET type 1を呈する。色素内視鏡ではType Ⅱ-Open(Type Ⅱ-0)を呈し,dilated cryptsとも称されている3)。また,病変表層の拡張した血管網がみられることがあり,dilated branching vessels(DBV)や粘膜層深部の拡張した血管がvaricose microvascular vessel(VMV)として報告され,dilated vesselsとも称されている3)。
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