Japanese
English
特集 大腸の炎症を内視鏡で診る
[IBD関連大腸腫瘍の内視鏡診療]
IBD関連大腸腫瘍の病理組織診断
Pathological diagnosis of IBD-associated colorectal neoplasm
下田 将之
1
,
中島 真
2
,
綿谷 太生
1
,
川井田 みほ
3
,
岩男 泰
4
Masayuki Shimoda
1
,
Makoto Nakajima
2
,
Tafu Watatani
1
,
Miho Kawaida
3
,
Yasushi Iwao
4
1東京慈恵会医科大学病理学講座・病院病理部
2慶應義塾大学医学部病理学教室
3慶應義塾大学病院病理診断科
4慶應義塾大学医学部予防医療センター
キーワード:
炎症性腸疾患
,
大腸腫瘍
,
病理診断
Keyword:
炎症性腸疾患
,
大腸腫瘍
,
病理診断
pp.1583-1588
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001755
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はじめに
炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)である潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis: UC)やCrohn病(Crohn’s disease:CD)を背景に発生する消化管粘膜内腫瘍は,通常の散発性腫瘍とは発癌経路や臨床病理像が異なることが知られ,新WHO分類では“IBD-associated dysplasia”として取り上げられている1)。特に直腸・大腸を炎症の主座とするUCに合併する大腸癌(UC関連大腸癌)はcolitic cancerとも呼ばれ,通常の大腸癌と比べて若年発症し,同時性・異時性に多発性腫瘍を形成する傾向があり,発見時にはすでに進行癌であることも少なくない。本稿では,2024年7月に出版された『炎症性腸疾患関連消化管腫瘍診療ガイドライン 2024年版』2)をふまえ,IBD関連大腸腫瘍の定義やその病理学的診断基準および特徴について概説する。
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