Japanese
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特集 全身性疾患を見逃すな!―内視鏡所見から読み解く―
[主に大腸病変を生じる全身性疾患]
青年~中年の直腸潰瘍―梅毒―
Rectal ulcer in young and middle-aged patients: syphilis
小林 清典
1
Kiyonori Kobayashi
1
1北里大学医学部新世紀医療開発センター
キーワード:
直腸梅毒
,
内視鏡所見
,
鑑別診断
Keyword:
直腸梅毒
,
内視鏡所見
,
鑑別診断
pp.900-903
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001487
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典型的な内視鏡像
Case
40歳台男性。独身。粘血便を主訴に近医を受診,大腸内視鏡で直腸潰瘍を指摘され当科を紹介となった。同性愛者で肛門性交歴あり。大腸内視鏡所見では,肛門近傍の直腸前壁に,白苔を伴う大型で深い潰瘍を認めた(図1)。潰瘍の境界は明瞭で,周囲粘膜には軽度の発赤と浮腫を伴う。なお大腸の他部位には,異常を認めなかった。血清梅毒反応が陽性で,直腸潰瘍からの生検組織所見で直腸梅毒と確定診断した。他院でドキシサイクリン200mg/日の処方を受け粘血便は消失した。内服治療1カ月後の大腸内視鏡所見では,直腸潰瘍は再生上皮で被覆され瘢痕化していた(図2)。
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