胃悪性リンパ腫の分類

Classifications of gastric malignant lymphoma

Ⅰ．肉眼分類

　胃悪性リンパ腫の肉眼分類は，佐野分類^1）が一般に用いられている。この分類は胃癌の肉眼分類との類似点をもとに作成されたと考えられ，その対比を表1に示す。そのなかで表層型に分類される病変の多くは胃mucosa-associated lymphoid tissue（MALT）リンパ腫であり，胃MALTリンパ腫の肉眼所見（内視鏡所見）は，表2のように分類される^{2, 3）}。一方，胃悪性リンパ腫の特徴として，①多発ないし多彩な病変像を示すことが多い，②大きな病変であっても癌に比べて胃壁の伸展性が保たれる，③病変の一部ないし全体に粘膜下腫瘍様（上皮下発育）の所見が認められる，などが従来より指摘されている。