Japanese
English
論述
脊髄・馬尾神経症状で発症した脊柱管内悪性リンパ腫
Malignant Lymphoma of the Spinal Epidural Space
増田 達之
1
,
冨士 武史
1
,
米延 策雄
1
,
藤原 桂樹
1
,
山下 和夫
1
,
小野 啓郎
1
Tatsushi Masuda
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University Medical School
キーワード:
悪性リンパ腫
,
malignant lymphoma
,
脊髄硬膜外腔
,
epidural space
,
脊髄症状
,
cord symptoms
Keyword:
悪性リンパ腫
,
malignant lymphoma
,
脊髄硬膜外腔
,
epidural space
,
脊髄症状
,
cord symptoms
pp.860-869
発行日 1986年8月25日
Published Date 1986/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907454
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抄録:悪性リンパ腫の硬膜外転移は数多く報告されているが,脊髄・馬尾神経症状を初発症状とする悪性リンパ腫の報告は少ない.今回我々は脊髄馬尾神経症状を初発とした5例の悪性リンパ腫を経験し,その臨床症状,検査所見,治療について検討した結果,以下の知見をえた.
①中高年者で急速に進行する脊髄・馬尾神経症状を呈する場合は脊柱管内悪性リンパ腫も考慮に入れる必要がある.②本症による神経症状は一時的な改善を示すことがある.③診断には脊髄造影・CTのみならず67Ga腫瘍シンチグラムが特に有用であった.④治療は,確定診断がつかずに脊髄症状が悪化しつつある状態では,確定診断を得る目的も含めて手術的除圧が必要となるが,本症の治療の基本は化学療法と放射線療法であることを忘れてはいけない.
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