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特集 大腸T1癌の診断と治療―内視鏡医・外科医・病理医のクロストーク―
[各論 診断:大腸T1癌の病理診断]
ガイドライン・規約の現状と注意事項
Japanese Classification of Colorectal, Appendiceal, and Anal Carcinoma and JSCCR Guidelines for the Treatment of Colorectal Cancer: current situation and matters that require attention
下田 将之
1
Masayuki Shimoda
1
1東京慈恵会医科大学病理学講座・病院病理部
キーワード:
大腸T1癌
,
内視鏡切除
,
病理診断
,
垂直断端
,
SM浸潤度
,
脈管侵襲
,
簇出
Keyword:
大腸T1癌
,
内視鏡切除
,
病理診断
,
垂直断端
,
SM浸潤度
,
脈管侵襲
,
簇出
pp.50-57
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000589
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はじめに
近年ESDをはじめとする内視鏡治療技術の飛躍的な進歩により,大腸癌に対する治療法の幅が広がっている。内視鏡切除は診断と治療を兼ねた診断的治療という意味合いが強く,その病理診断においては根治性の判定や追加治療の必要性に関わる評価の重要性が増している。大腸粘膜内癌(Tis癌)は原則としてリンパ節転移はしないものと考えられ,内視鏡的に完全切除されたTis癌は根治とみなしてよいものと考えられている。一方で,粘膜下層浸潤を伴う癌(T1癌)においては一部の症例でリンパ節転移を認めることが知られており,根治性の判定に加え,内視鏡的切除検体での病理診断にもとづきリンパ節転移リスクを評価し,外科的追加切除を行うかどうか考慮する必要がある。
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