特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅴ. 残胃にみられる病変
Stomal polypoid hypertrophic gastritis
貝瀬 満
1
,
大橋 隆治
2
Mitsuru KAISE
1
,
Ryuji OHASHI
2
1日本医科大学消化器内科学
2日本医科大学病理学
キーワード:
残胃
,
胃腸吻合部
,
胃癌
Keyword:
残胃
,
胃腸吻合部
,
胃癌
pp.312-313
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000467
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疾患の概要
1979年にKogaら1)が残胃吻合部に生じる隆起病変をstomal polypoid hypertrophic gastritis(SPHG:吻合部ポリープ状肥厚性胃炎)と命名して報告した。病理組織学的特徴は偽幽門腺組織が粘膜から粘膜下層に囊胞状拡張を伴いながら増生し,被覆する腺窩上皮の過形成を伴う。同様の病変をLittlerら2)はgastritis cystica polyposa,Franzinら3)はgastritis cystica profunda(GCP)と報告した。GCPは粘膜下層の囊胞状拡張腺管を特徴とする隆起病変で,吻合部でない胃粘膜に生じる病変も包含する広い概念であり,残胃吻合部に生じる隆起病変の疾患名としては,吻合部という特異的な存在部位を明示するSPHGがより妥当であると思われるが,吻合部のGCPとしても誤りではない。
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