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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅱ. 平坦な病変
血管拡張症(びまん性;GAVE, DAVE)
Vascular ectasia (diffuse)
土生 亜実
1
,
樋口 和寿
1
,
貝瀬 満
1
Tsugumi HABU
1
,
Kazutoshi HIGUCHI
1
,
Mitsuru KAISE
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
血管拡張症
,
GAVE
,
DAVE
Keyword:
血管拡張症
,
GAVE
,
DAVE
pp.160-161
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000399
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疾患の概要
胃前庭部毛細血管拡張症(gastric antral vascular ectasia:GAVE)は胃前庭部を中心に血管拡張を認める病態を示し,狭義のGAVEは幽門輪へ放射状に向かう毛細血管拡張による胃前庭部の発赤像を特徴とし,その特異的な発赤像からwatermelon stomachとも呼ばれている。一方で,胃前庭部を主体にびまん性に毛細血管が拡張する病態は,びまん性胃前庭部毛細血管拡張症(diffuse gastric antral vascular ectasia:DAVE)と呼ばれ,狭義のGAVEとは区別されているが,GAVEとDAVEの両者を含めて,広義のGAVEとして取り扱う場合も多い。両者の内視鏡所見は異なるが,病理学的には粘膜固有層の毛細血管拡張やフィブリン血栓,fibromuscular hyperplasiaを示し,同一な病態として考えられている。発生機序の詳細はいまだに不明であるが,門脈圧亢進,腎不全,自己免疫,胃前庭部蠕動亢進による機械的刺激,血管拡張作用を有する高ガストリン血症など,さまざまな病因の関与が考えられている。血管拡張症からの出血とそのための貧血がみられると,内視鏡的治療の対象となる。
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