Serrated polyposis syndrome（SPS）の特徴と診断

Characteristics and diagnosis of serrated polyposis syndrome

Ⅰ．疾患概念と診断基準

　従来，大腸の発癌経路は①腺腫由来のadenoma- carcinoma sequenceと，②腺腫を経ずに癌が直接発生するde novo発癌の2つとされ，鋸歯状構造を有し異型のない過形成性ポリープは治療対象と考えられていなかった。しかし，鋸歯状構造を有しながら腺腫同様に細胞異型を有する病変が発見され，その後これらの癌化のリスクが明らかとなり，上記の2つの経路と異なる鋸歯状病変由来の癌が存在することがわかってきた（serrated pathway）。