特集 小腸内視鏡が変えた疾患マネージメント
疾患マネージメントに大きく変革がもたらされた病態 ポリポーシス症候群
坂本 博次
1
,
小黒 邦彦
,
矢野 智則
1自治医科大学 内科学講座消化器内科学部門
キーワード:
Peutz-Jeghers症候群
,
外科用器具
,
大腸ポリポーシス-腺腫様
,
腸ポリープ
,
診療ガイドライン
,
小腸疾患
,
小腸腫瘍
,
バルーン小腸内視鏡法
,
スネア
Keyword:
Balloon Enteroscopy
,
Practice Guidelines as Topic
,
Intestinal Polyps
,
Adenomatous Polyposis Coli
,
Peutz-Jeghers Syndrome
,
Surgical Instruments
pp.1825-1832
発行日 2021年12月25日
Published Date 2021/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2022082028
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Peutz-Jeghers症候群では、小腸内に多発する過誤腫性ポリポーシスにより腸重積をきたすことが臨床的に問題となる。小腸内視鏡の開発により内視鏡的治療が可能となり、過誤腫性ポリポーシスに対するマネージメントに、従来の外科的治療から内視鏡的治療へと大きな変革がもたらされている。また従来のポリペクトミー、EMRによる切除から、ポリープの茎に留置スネアやクリップを留置することによる阻血治療を行うことで、より効率的に偶発症の少ない内視鏡的治療が実現可能となっている。家族性大腸腺腫症では大腸外随伴病変として小腸にも腺腫が認められ、小腸内視鏡による切除が試みられている。大腸腺腫と同様、従来の通電するポリペクトミーよりもcold snare polypectomyのほうが安全に効率的な治療を実現できる可能性がある。小腸腺腫の内視鏡的切除によって長期的に小腸癌発症リスクを低減できるか、今後評価されていく必要がある。
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