特集 ESDアフターケアが一番大事!
[食道 中長期のマネージメント]早期食道癌ESD治癒切除例のサーベイランス
有馬 美和子
1
,
都宮 美華
,
剛崎 有加
,
石川 文隆
,
神田 浩明
1埼玉県立がんセンター 内視鏡科
キーワード:
飲酒
,
危険因子
,
タバコ喫煙
,
腫瘍侵入性
,
腫瘍-多発性原発
,
食道鏡法
,
食道腫瘍
,
扁平上皮癌
,
ロジスティックモデル
,
腫瘍-第二原発
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Carcinoma, Squamous Cell
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Esophagoscopy
,
Neoplasms, Second Primary
,
Logistic Models
,
Tobacco Smoking
,
Esophageal Neoplasms
,
Neoplasm Invasiveness
,
Neoplasms, Multiple Primary
,
Risk Factors
,
Alcohol Drinking
pp.1275-1283
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021032706
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当科で内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行ったpT1a-EP/LPM食道癌の異時性癌や他臓器癌のサーベイランス症例を中心として、多発癌と他臓器癌の頻度、リスク因子やサーベイランス方法、病変発見の診断方法について検討した。2011年1月~2019年5月に当科でESDを施行した食道扁平上皮癌345例のうち、深達度がpT1a-EP/LPMより深かった症例、食道癌術後残食道癌や食道癌に対する化学療法、放射線治療後の症例、既往疾患の増悪などで定期的な検索が行えなかった症例を除く273例の治癒切除例を対象とした。同時性多発癌を40例(14.7%)、異時性多発癌を60例(22.0%)、同時性または異時性多発癌を84例(30.8%)に認めた。同時性・異時性多発癌のリスク因子として、多変量解析では高度まだら不染のみが示された。ESD治癒切除後に発生した異時性多発癌60例のうち、59例122病変にはESDを行い、全周性となっていた1例に手術を行った。また、今回検討した273例中、原病死は1例もなく、他病死を18例に認め、5年全生存率は95.9%であった。長期の経過観察例では肺癌にも注意が必要で、禁酒ができているか、検診を受けているかの問診も重要と考えられた。
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