特集 大腸腫瘍の内視鏡治療戦略-攻めるか、引くか?
[総論] 大腸SM癌(T1癌)のリンパ節転移リスク
河内 洋
1
1がん研究会有明病院 病理部
キーワード:
Keratins
,
危険因子
,
大腸内視鏡法
,
大腸ポリープ
,
腫瘍侵入性
,
リンパ行性転移
,
大腸腫瘍
,
免疫組織化学
,
リスク
,
アルゴリズム
,
診療ガイドライン
,
腫瘍悪性度
,
モノクローナル抗体D2-40
,
癌取扱い規約
Keyword:
Colorectal Neoplasms
,
Keratins
,
Immunohistochemistry
,
Lymphatic Metastasis
,
Risk
,
Colonic Polyps
,
Colonoscopy
,
Algorithms
,
Practice Guidelines as Topic
,
Neoplasm Invasiveness
,
Risk Factors
,
Neoplasm Grading
,
Monoclonal Antibody D2-40
pp.1473-1481
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020042405
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粘膜下層浸潤を示す大腸癌(大腸T1癌)のリンパ節転移リスクの病理学的評価について、その歴史的変遷、判定法に関する問題点、今後の展望を概説する。リンパ節転移リスク因子の検討は1980年代に本格化した。粘膜下層浸潤度評価については、本邦では癌研分類(加藤による分類、Kikuchi分類)や工藤分類、海外ではHaggitt分類が知られるが、その後内視鏡的切除検体にも対応可能な浸潤距離計測法が考案され現在に至る。現行の大腸癌治療ガイドラインでは浸潤距離1,000μmが低リスク・高リスクの境界値とされているが、病変の肉眼型、粘膜筋板の状態により計測方法が異なっており、一部では計測値と真の粘膜下層浸潤距離が一致していない。脈管侵襲、簇出については免疫染色による評価の有用性・問題点に注意する必要がある。近年では各リスク因子の組み合わせによるリスク層別化が試みられている。近い将来にはAIによる全く新しい転移予測が実現する可能性もある。
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