特集 こんなにある薬剤性消化管傷害
小腸および大腸 薬剤起因性膠原線維性大腸炎
松本 主之
1
,
梁井 俊一
,
川崎 啓祐
1岩手医科大学 消化器内科消化管分野
キーワード:
大腸内視鏡法
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
Lansoprazole
,
Proton Pump Inhibitors
,
大腸炎-コラーゲン性
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Colonoscopy
,
Lansoprazole
,
Proton Pump Inhibitors
,
Colitis, Collagenous
pp.912-916
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2019312034
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膠原線維性大腸炎は1970年代に欧米で報告された疾患である。難治性の下痢を主徴とし、大腸上皮直下の粘膜固有層に膠原線維束(厚さ10μm以上)が認められる。従来、大腸内視鏡所見は正常とされていたが、血管網増生、顆粒状粘膜、易出血性などの軽微な所見が認められることが明らかになっている。加えて、細長い線状粘膜欠損も特徴的な内視鏡所見である。一部の患者では、非ステロイド性抗炎症薬とプロトンポンプ阻害薬が原因となることが示唆されてきたが、本邦ではランソプラゾールに起因する症例が数多く集積されている。一般的に難治性に経過するが、薬剤起因性のものは基本的に原因薬剤の休薬で改善する。
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