発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011338822
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症例1は75歳女で、逆流性食道炎に対しlansoprazole内服開始6ヵ月後より粘液性下痢を認めた。発症17日目の大腸内視鏡検査ではS状結腸に長径2cmの縦走びらんを1ヶ所認め、生検病理検査ではびらんと正常粘膜いずれも上皮直下に膠原線維成分の増加を帯状に認めcollagenous colitisと診断した。Lansoprazoleを中止後6日目から下痢が消失し、3ヵ月後に結腸・直腸の生検組織から膠原線維は消失していた。症例2は79歳女で、逆流性食道炎に対しlansoprazole開始後2ヵ月で水溶性下痢が続いた。大腸内視鏡検査ではびらんや潰瘍ははっきりしなかったが、結腸・直腸の生検組織で症例1と同様膠原線維成分の増加を認めcollagenous colitisと診断した。Lansoprazole中止1ヵ月後に下痢は消失し、4ヵ月後の大腸内視鏡検査は正常で結腸・直腸の生検でも正常化を確認した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011