特集 こんなにある薬剤性消化管傷害
口腔・食道 NSAIDsおよびLDA食道傷害
杉本 暁彦
1
,
河合 隆
1東京医科大学病院 消化器内視鏡学
キーワード:
Aspirin
,
潰瘍
,
食道鏡法
,
食道疾患
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
経口投与
,
Rabeprazole
,
食道粘膜
,
食道潰瘍
,
びらん
Keyword:
Aspirin
,
Esophageal Diseases
,
Esophagoscopy
,
Esophageal Mucosa
,
Administration, Oral
,
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Ulcer
,
Rabeprazole
pp.875-878
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2019312028
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薬剤性食道傷害は、治療のために内服していた薬剤が原因で起こる食道粘膜傷害で、多くの原因薬剤が報告されている。急激な高齢化社会を迎えた本邦では整形外科的疾患、脳血管性疾患患者が増加し、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や低用量アスピリン(LDA)の服用者も増加し、NSAIDsやLDAでの粘膜傷害も増えてきている。薬剤性食道傷害の一般的な症状としては胸痛、つかえ感、胸やけ、嚥下痛、嚥下障害が多く、重症になると吐血、下血を認めたり、手術が必要になることもある。発症部位としては中部、下部食道が多く、診断で重要なのは症状とともに、原因となる可能性のある薬剤服用の詳細な問診である。検査としては、上部消化管内視鏡が最も有用であり、治療は薬剤の休薬である。しかし基礎疾患を考慮し休薬可能か慎重に判断する必要がある。またプロトンポンプ阻害薬などを併用し胃酸分泌を抑制する。薬剤性食道傷害は食道だけでなく全消化管で起こるため、注意が必要である。
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