特集 こんなにある薬剤性消化管傷害
口腔・食道 薬剤性食道傷害 薬剤停滞に関連して
嶋田 裕慈
1
,
佐藤 祥
,
天野 希
,
池田 裕至
,
村田 礼人
,
廿樂 裕徳
,
冨嶋 享
,
佐藤 俊輔
,
松本 紘平
,
阿部 哲史
,
飯島 克順
,
玄田 拓哉
,
永原 章仁
1順天堂大学医学部附属静岡病院 消化器内科
キーワード:
Diphosphonates
,
Doxycycline
,
食道炎
,
食道鏡法
,
経口投与
,
服薬指導
,
Dabigatran
Keyword:
Doxycycline
,
Dabigatran
,
Esophagitis
,
Esophagoscopy
,
Administration, Oral
,
Diphosphonates
pp.869-874
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2019312027
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薬剤停滞によって起こる食道粘膜傷害は高齢者に多く生じやすい。食道の生理的狭窄や壁外性圧迫、食道運動機能障害などにより内服した薬剤が滞留し、溶け出した薬剤内容物が粘膜を傷害することがおもな原因であるが、その内視鏡所見は多彩である。代表的な原因薬剤としては抗菌薬(テトラサイクリンなど)、非ステロイド性抗炎症薬の他、近年は骨粗鬆症治療に用いるビスホスホネートや直接経口抗凝固薬であるダビガトランによる粘膜傷害の報告例が増えている。一般には内服後に十分な水や軟食で薬剤を胃へ流し込むといった服薬指導で症状は消失し管理可能であるが、時に原因薬剤の中止や他の薬剤への変更を必要とすることもある。食道内腔の狭窄が強い場合や食道運動機能障害を伴っている場合は、管理に難渋する場合もあるため注意が必要である。
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