症例
メトホルミン過量内服後、遅発性に重篤な乳酸アシドーシスをきたし、単回の血液透析にて改善した一例
服部 晶子
1
,
真野 頌子
,
中村 敬之
,
中野 彰人
,
村上 敬祐
,
橋本 悠作
,
天野 竜彰
,
山根 光知
,
山口 真
,
永田 高信
1四日市市立四日市病院 腎臓内科
キーワード:
アシドーシス-乳酸
,
Metformin
,
Norepinephrine
,
うつ病
,
血液透析
,
低血圧
,
糖尿病
,
経口投与
,
薬物過剰摂取
,
パニック症
,
補液療法
Keyword:
Hypotension
,
Metformin
,
Renal Dialysis
,
Norepinephrine
,
Administration, Oral
,
Panic Disorder
,
Fluid Therapy
,
Diabetes Mellitus
,
Depressive Disorder
,
Acidosis, Lactic
,
Drug Overdose
pp.860-864
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00714.2019296056
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症例は30歳代女性で、メトホルミン250mg錠と500mg錠を約300錠内服し、その後嘔吐・下痢をきたしたため救急要請した。次第に頻呼吸、意識レベルの低下とpH6.9の著明なアシデミアを認めたため、内服10時間後に当科依頼となった。救急外来で細胞外液を4L補液されたが、内服8時間後にpH 7.090、10時間後にpH 6.968と乳酸アシドーシスによるアシデミアの進行を認め、緊急血液透析を施行する方針とした。透析開始後、徐々に血中乳酸値の低下を認め、アシデミアの改善とともに意識清明となり血圧は上昇し、ノルアドレナリンは漸減終了とした。血清K値は透析開始時に6.0mEq/Lまで上昇していたが、透析終了後には3.6mEq/Lと低下した。第2病日においても乳酸値の再上昇やアシデミアの進行を認めず、血圧安定、意識状態良好であり、血液透析は第1病日の1回のみで終了とし、第3病日に退院とした。
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