特集 拡大する母子保健
疾患の予防 今後のマススクリーニング戦略
澤田 貴彰
1
,
中村 公俊
1熊本大学 大学院生命科学研究部小児科学講座
キーワード:
筋萎縮症-脊髄性
,
新生児スクリーニング
,
リソソーム蓄積症
,
ペルオキシソーム病
,
重症複合免疫不全症
,
タンデム質量分析
Keyword:
Peroxisomal Disorders
,
Muscular Atrophy, Spinal
,
Lysosomal Storage Diseases
,
Neonatal Screening
,
Severe Combined Immunodeficiency
,
Tandem Mass Spectrometry
pp.1793-1796
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021086341
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<Key Points>(1)DBSを用いたNBSは、検査法と治療法の改善により、その対象疾患を拡大させている。タンデムマス法が導入された以降も、酵素活性測定によるライソゾーム病のスクリーニングや、定量PCRによるSCIDやSMAのスクリーニングが開発されている。(2)2018年に二次対象疾患から一次対象疾患になったCPT2欠損症のように、二次対象疾患も診断精度の改善や、早期治療の重要性が認識されるようになり、二次対象疾患をNBSの対象疾患とする自治体が増えている。(3)わが国では、ライソゾーム病やSCID、SMAは、一部の自治体や病院のみで検査されているが、ERTやSMA治療薬の承認、ロタウイルスワクチンの定期接種開始を考えると、すべての新生児がこれらのスクリーニング検査を受けられることが望ましい。
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