症例
重症度の把握に苦慮した幼児細菌性赤痢の2例
服部 美来
1
,
二瓶 浩一
,
宇都宮 真司
,
林 歩実
,
根本 智恵子
,
清水 教一
1東邦大学医療センター大橋病院 小児科
キーワード:
C-Reactive Protein
,
Fosfomycin
,
赤痢-細菌性
,
脱水症
,
重症度指標
,
けいれん性発作
,
検便
,
Procalcitonin
,
アシドーシス-代謝性
Keyword:
C-Reactive Protein
,
Dysentery, Bacillary
,
Seizures
,
Severity of Illness Index
,
Dehydration
,
Procalcitonin
,
Fosfomycin
,
Acidosis
pp.1531-1535
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021050468
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症例1は5歳女児で、第1病日に発熱、嘔吐を認め、水様性下痢から血便になった。第2病日に強直性けいれんが出現し、重症が否定できず入院した。腹部X線写真で大腸ガスの著明な貯留を認め、超音波検査ではS状結腸壁の肥厚と周囲脂肪織のエコー輝度上昇を認めた。その後保育園で細菌性赤痢発生が判明したためホスホマイシン(FOM)内服を開始した。症例2は4歳男児で、症例1の症状出現と同日に腹痛、発熱、嘔吐、頻回の水様性下痢を認めた。保育園で同様の症状の児が多く、細菌性赤痢が疑われ、傾眠傾向があり脱水も認め重症と判断した。FOMを継続投与し、8時間後に代謝性アシドーシスや炎症反応は改善した。両症例とも全身状態の悪化はなく第8病日に退院し、便培養からShigella sonneiが検出され細菌性赤痢と確定診断した。
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