特集 不登校
不登校児のフォローアップと予後
河野 政樹
1
1虹の子どもクリニック
キーワード:
発生率
,
労働
,
組織体間関係
,
文部科学省
,
不登校
,
実態調査
Keyword:
Work
,
Interinstitutional Relations
,
Incidence
,
Phobic Disorders
pp.757-761
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020280401
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<Key Points>(1)不登校のフォローアップには、単に登校刺激をするとかしないとかではなく、心の癒しや併存症の治療が優先される時期があったり、社会への準備段階としての成長の時期があったりするので、その状況に応じたサポートが求められる。(2)中3時点で不登校であっても、20歳の段階で約8割の人が就労・就学など社会参加できている。(3)中3時点で不登校であっても、85%の人が高校進学し、20歳時点では、約4人に1人は、大学・短大・高専に進学している。就労にかかわっている率は高く20歳時点で約半数の人がなんらかの仕事(パート、アルバイト含む)に就いている。(4)不登校になったことを4人に1人は後悔しているが、4割の人はマイナス的な印象を感じていない。また、それによって成長できたと感じている人も少なくない。(5)不登校の予後に影響を及ぼすものとして、中3時点の教師の関与や医療機関、職業関連のサポートが重要である。(6)不登校の予後は、文部科学省の不登校実態調査の結果改善してきている(平成5年度/平成18年度比較)。(7)不登校のフォローアップには、併存症の治療や発達の視点も必要であり、精神疾患などの合併が考えられるときは適切に紹介が必要である。(8)医療、心理、教育、福祉、行政の連携が不登校サポートのうえで重要である。
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