症例
多様なoncologic emergencyを呈し、集中治療により救命したT細胞急性リンパ性白血病の1例
田中 大貴
1
,
菅 健敬
,
末廣 穣
,
豊田 将平
,
河内 晋平
,
山上 雄司
,
加藤 隆宏
,
高原 賢守
,
小林 健一郎
,
宇佐美 郁哉
,
毎原 敏郎
1兵庫県立尼崎総合医療センター 小児救急集中治療科
キーワード:
Daunorubicin
,
Dexamethasone
,
Methotrexate
,
Prednisolone
,
腫瘍崩壊症候群
,
Vincristine
,
血液透析
,
抗凝固剤
,
縦隔腫瘍
,
X線CT
,
脊椎内投与
,
白血病-リンパ腫-T前駆細胞リンパ芽球性
,
下大静脈閉塞症
Keyword:
Anticoagulants
,
Vincristine
,
Tumor Lysis Syndrome
,
Methotrexate
,
Renal Dialysis
,
Injections, Spinal
,
Daunorubicin
,
Dexamethasone
,
Prednisolone
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Mediastinal Neoplasms
,
Precursor T-Cell Lymphoblastic Leukemia-Lymphoma
pp.263-267
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2019142798
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6歳女児。約10日前からの咳嗽と動悸を主訴とした。造影CTで大動脈弓から気管周囲に及ぶ10cm大の縦隔腫瘤、上大静脈の狭窄、心嚢液の貯留を認め、骨髄検査でT細胞急性リンパ性白血病と診断した。集中治療室でがん性心嚢液による心タンポナーデに対し水分負荷を行い、巨大縦隔腫瘍による気道閉鎖や上大静脈症候群に対し腹臥位での気管挿管を行った。また、腫瘍崩壊症候群(TLS)の予防にバスキュラーアクセスカテーテルを留置し、先行治療である髄注(メトトレキサート)、プレドニゾロン投与を開始した。しかし、3時間後にTLSを発症し、持続血液透析を導入した。先行治療の効果は不十分と判断し、デキサメタゾン、ビンクリスチン、ダウノルビシンによる寛解導入療法へ変更した。心嚢液は減少し、縦隔腫瘍も縮小したが、両下肢から下大静脈に及ぶ深部静脈血栓症を発症したため、抗凝固療法を行った。経過は良好で、第14病日に一般病棟に転棟した。
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