研究
当院における小児の外傷性膵損傷III型の経験と治療方針の検討
仲谷 健吾
1
,
飯沼 泰史
,
平山 裕
,
菅井 佑
,
高城 翔太郎
,
内藤 真一
,
新田 幸壽
1新潟市民病院 小児外科
キーワード:
後向き研究
,
Pancreatic Alpha-Amylases
,
膵外傷
,
腹部CT
Keyword:
Retrospective Studies
,
Pancreatic alpha-Amylases
pp.994-999
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2022020959
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小児の外傷性膵損傷III型5例を対象に、治療成績を調査した。その結果、受傷機転は全例が交通事故などの上腹部への明確な外力であった。血清アミラーゼ値は全例が基準値を超えていた。日本外傷学会臓器損傷分類2008では、IIIa(Ph)型が1例、IIIb(Pb)型が3例、IIIb(Pt)型が1例で、初診時から腹膜刺激症状を有していた症例は2例であった。腹部造影CT検査を全例に施行し、初回検査で膵の異常を認めた症例は2例で、他の2例は再検査で異常を認め、残り1例は異常を認めなかった。手術は受傷後3日までに全例に施行し、主に開腹洗浄ドレナージ術であったが、膵管空腸吻合術を1例、膵尾部切除術+脾摘出術を1例に行った。術後合併症は膵仮性囊胞が2例で、うち1例に経皮的膵仮性囊胞ドレナージ術を施行した。その他の術後合併症として、遅発性胆管狭窄、癒着性腸閉塞、尾側膵萎縮を各1例に認めたが、耐糖能異常を有した症例はなかった。
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