特集 外来で役立つ知識:外陰部・会陰部・肛門部周辺の疾患
比較的まれな男児外陰部疾患 傍外尿道口囊胞の3例と陰茎縫線囊胞の1例
北原 修一郎
1
,
大野 康成
,
里見 英俊
1長野赤十字病院 小児外科
キーワード:
陰茎疾患
,
男性泌尿器外科
,
尿道疾患
,
嚢胞
Keyword:
Cysts
,
Penile Diseases
,
Urethral Diseases
,
Urologic Surgical Procedures, Male
pp.626-628
発行日 2021年6月25日
Published Date 2021/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2021274265
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当科では過去10年間に傍外尿道口嚢胞3例と陰茎縫線嚢胞1例を経験し手術を行った。傍外尿道口嚢胞例の年齢はそれぞれ4歳、5歳、7歳で、診断の契機となった症状は腫瘤が2例、尿線異常1例であった。腫瘤で発見された2例はいずれも経過観察としていたが改善しないため、嚢胞壁を可及的に切除する開窓術を行い、両例とも術後経過良好であった。陰茎縫線嚢胞の症例は双胎で、在胎37週に出生体重1843gで帝王切開により出生し、生後2ヵ月から肛門狭窄症に伴う便秘症として外来通院していた。生後5ヵ月時、亀頭部に嚢胞性病変があることに気づき、経過観察していた。5歳時、嚢胞が増大傾向を示したため開窓術を予定した。全身麻酔下に包皮を展開したところ、正中の陰茎縫線に沿って嚢胞が位置しており、陰茎縫線嚢胞と診断した。嚢胞切除術を施行し、術後経過良好であった。
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