特集 外来必携フォローのポイント-いつまで何をみるか
低位鎖肛 外来フォローにおける診察の要点
文野 誠久
1
,
福永 健治
,
青井 重善
,
田尻 達郎
1京都府立医科大学 小児外科
キーワード:
鎖肛
,
術後合併症
,
消化器外科
,
脊髄疾患
,
後向き研究
,
治療成績
,
排便障害
,
外来診療
Keyword:
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
,
Postoperative Complications
,
Digestive System Surgical Procedures
,
Spinal Cord Diseases
,
Anus, Imperforate
,
Ambulatory Care
pp.688-691
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019350069
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当科での低位鎖肛の治療成績について検討した。2004~2018年までの過去15年間に当科で外科治療を行った低位鎖肛症例で、術後2年以上経過している42例(男児7例、女児35例)を対象とした。転帰として42例中4例を染色体異常のために失い、4例がlost followとなった。残る34例を排便状況に応じて、内服薬や浣腸が一切不要である排便良好群20例、排便に対して緩下薬や浣腸を定期的または不定期に必要とする排便中等度群9例、治療にかかわらず高度便秘や便失禁をきたしている排便不良群5例の3群に分類した。排便良好群では完全に投薬を終了できたのは中央値2.5歳の時点であった。排便中等度群では2例が学童期に高度便秘のため再受診となり緩下薬の投薬が再開された。排便不良群では脊髄異常が2例に認められた。結果として、42例中20例(47.6%)は最長12年にわたる外来治療により排便機能が正常化したが、22例(52.4%)は2~9歳になってもいまだ治療を要する状態である。
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