特集 外来必携フォローのポイント-いつまで何をみるか
先天性腸閉鎖症
高安 肇
1
,
増本 幸二
1筑波大学 医学医療系小児外科
キーワード:
回腸疾患
,
空腸疾患
,
出生前診断
,
腸閉塞
,
腸閉鎖症
,
瘢痕
,
医療中断患者
,
外来診療
,
手術創
Keyword:
Jejunal Diseases
,
Ileal Diseases
,
Surgical Wound
,
Cicatrix
,
Prenatal Diagnosis
,
Intestinal Atresia
,
Intestinal Obstruction
,
Patient Dropouts
,
Ambulatory Care
pp.678-683
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019350068
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1994~2013年に当科で治療を受けた先天性腸閉鎖症44例のうち、生存退院した41例について、出生前診断の有無、出生体重、在胎週数、病型、合併奇形、初回入院期間、初回入院中の合併症などの有害事象の有無、現在のフォローアップの状態、フォローアップ体制などについて検討した。41例の閉鎖部位による内訳は空腸閉鎖症12例、回腸閉鎖症29例であった。退院後にイベントを有した例は12例(29.3%)あり、内訳は腸閉塞6例、創部瘢痕3例、胆嚢炎2例、腸炎2例、栄養障害1例であった。フォローアップの状況は現在もフォローアップを受けている例(継続群)が5例、フォローアップを自己判断で中止してしまった例(自己中止群)が13例、医師がフォロー終了とした例(終了群)が16例、転居などによる移動(移動群)が7例であった。継続群は全例出生前診断例であり、初回入院期間が長く、入院中にエピソードを有した例が多い傾向を認めたが、有意差は認めなかった。退院後にイベントを有した症例が継続群では5例中4例であったのに対して、自己中止群では13例中2例と有意に少なかった。
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