特集 小児膵疾患に対する最新の治療
先天性高インスリン血症最新の診療 限局性小病変に対する核出術 術中に病変の同定ができない場合の切除の工夫
北河 徳彦
1
,
新開 真人
,
望月 響子
,
臼井 秀仁
,
浅野 史雄
,
大澤 絵都子
,
近藤 享史
,
藤井 俊輔
,
室谷 浩二
1神奈川県立こども医療センター 外科
キーワード:
術中期
,
膵切除
,
高インスリン症-先天性
,
陽電子放射型断層撮影
,
Fluorodopa F 18
,
組織診
Keyword:
Intraoperative Period
,
Pancreatectomy
,
Congenital Hyperinsulinism
,
Positron-Emission Tomography
,
Fluorodopa F 18
pp.569-573
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019347633
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生後5ヵ月、男児。CHI(先天性高インスリン血症)の治療目的で当院へ転院となった。転院後は輸液と薬物療法により血糖維持可能であったが、在宅管理は困難であるため、手術が考慮された。遺伝子検査でABCC8遺伝子変異を認め、18F-DOPA PETにて膵鉤部に異常集積を認めたことから限局型と診断し、膵鉤部病変の核出術を予定した。術中の視触診では病変を確認できず、術中超音波で膵鉤部の先端を試験切除し、迅速病理にて病巣であることを確認した。切除後は血糖値が安定し、術後5歳の時点で心身発達遅滞は認めず、低血糖もみられない。
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