特集 小児膵疾患に対する最新の治療
先天性高インスリン血症最新の診療 膵頭部病変に対する膵頭部切除術 合併症を避けるための工夫
永田 公二
1
,
福原 雅弘
,
田口 智章
1九州大学 大学院医学研究院生殖発達医学部門小児外科分野
キーワード:
血糖
,
術中期
,
膵空腸吻合術
,
膵切除
,
Roux-en-Y吻合術
,
免疫組織化学
,
高インスリン症-先天性
,
陽電子放射型断層撮影
,
Fluorodopa F 18
,
組織診
Keyword:
Blood Glucose
,
Immunohistochemistry
,
Intraoperative Period
,
Anastomosis, Roux-en-Y
,
Pancreaticojejunostomy
,
Pancreatectomy
,
Congenital Hyperinsulinism
,
Positron-Emission Tomography
,
Fluorodopa F 18
pp.579-585
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019347634
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生後6ヵ月、男児。CHI(先天性高インスリン血症)の膵頭部病変に対し膵頭部切除・膵空腸吻合術を予定した。手術は膵を露出したのち4ヶ所(膵頭部2ヵ所、体部1ヵ所、尾部1ヵ所)より生検を行い、膵頭部2ヵ所が病変部と診断された。次に膵体部を切除し、術中迅速病理診断で断端陽性であったため、膵尾側の追加切除を行った。総胆管同定・露出のあとに総胆管前面から十二指腸のテーピングを行い、腹側に膵頭部・鉤部を亜全摘し、膵-空腸吻合、Roux-en Y法による消化管再建を行った。術後、血糖値は安定し、術後44日目に退院した。目下、術後4年現在、神経学的後遺症なく良好に経過している。
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