研究
産婦人科における長時間労働の要因に関する検討 日本産婦人科医会勤務医部会全国調査より
中井 章人
1
,
木戸 道子
,
関口 敦子
,
平原 史樹
,
木下 勝之
,
日本産婦人科医会
1日本医科大学 産婦人科
キーワード:
質問紙法
,
危険因子
,
労働衛生
,
ヘルスマンパワー
,
母体搬送
,
産婦人科医
,
労働時間
Keyword:
Health Workforce
,
Occupational Health
,
Risk Factors
pp.867-871
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020305642
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産婦人科領域における長時間労働の要因に関する検討を、全国の1031病院を対象に実施された日本産婦人科医会勤務医部会の「産婦人科勤務医の待遇改善と女性医師の就労環境に関するアンケート調査」により得られたデータをもとに実施した。その結果、全国勤務医師の当直を除く1週間の勤務時間は平均46.2時間で、1ヵ月の当直回数は平均5.6回であった。全施設の1ヵ月の推定在院時間は平均288時間で、総合周産期母子医療センター294時間、地域周産期母子医療センター291時間、一般病院285時間となっていた。また、年間の時間外在院時間は全体では1076時間で、総合周産期母子医療センターで最も長くなる傾向であった。総合周産期母子医療センターでは、平均年間時間外在院時間が960時間未満に止まる施設は1/4程度で、半数を超える施設(63.3%)が960~1860時間未満となり、それ以上の施設も12.2%に認められた。年間母体搬送受入件数と時間外在院時間に正の相関があり、件数が多いほど在院時間が延長していた。地域周産期母子医療センターでは、時間外在院時間は半数以上が960~1860時間未満となっていたが、医師数、仕事量の指標と時間外在院時間に関連は認めなかった。一般病院では半数以上の施設が960時間未満で、12.4%で1860時間を上回っていた。また、時間外在院時間と常勤医師数、仕事量の指標には有意な関連は認めなかったが、時間外在院時間が短い施設で非常勤医師数が有意に多かった。
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