Topics「身近な話題・世界の話題」(171)
植物における時間情報の伝達メカニズム
久保田茜
1
,
遠藤求
2
Akane Kubota
1
,
Motomu Endo
2
1国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域 植物生理学分野 助教
2国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域 植物生理学分野 教授
pp.88-91
発行日 2018年12月30日
Published Date 2018/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201901088
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植物は,各器官・組織に存在する概日時計を使い分けることで,周囲の環境に応じて生理応答を制御している。近年,植物の代表的な栄養素である糖や無機栄養素が,概日時計の入力系因子として機能する可能性が報告されつつある。このことは,これらの栄養素が器官・組織間の時間情報伝達物質として機能する可能性を示唆している。本稿では,植物の概日時計と輸送システムの成り立ちを概説しつつ,両者の関係について最新の知見を紹介する。