特集 臨床検査室マニュアル
Ⅴ.検査データからみた疾患の特徴
溶血性貧血
東海 俊英
1
1日大第1内科
pp.1268-1269
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909562
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1.概念
溶血性貧血とは何らかの機転により赤血球崩壊が亢進した,すなわち赤血球寿命が短縮した結果生じた貧血の総称であり,単一疾患ではなく,種々の原因によるものが含まれている.主要な溶血性貧血の分類は表1のようで,赤血球自体に欠陥があるために生ずるものは主に先天性で,例外的なのはPNHである.本症は赤血球膜の欠陥により溶血するが後天性疾患である.赤血球外の因子によるものは,免疫学的機序によるものとよらないものがあるが,すべて後天性疾患である.
溶血性貧血の一般的所見は,赤血球崩壊の亢進に基づくものと,その結果として起こる赤血球産生の代償性亢進によるものとの両方がある.
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