特集 血液疾患における薬剤の副作用とその対策
7.エクリズマブにおける血管外溶血,髄膜炎菌感染とその対策
西村純一
1
Jun-ichi Nishimura
1
1大阪大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学 講師
pp.727-734
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201805727
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抗C5抗体エクリズマブは,発作性夜間ヘモグロビン尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria:PNH)における補体介在性の血管内溶血を劇的に改善した。その一方で,血管外溶血という新たな病態が貧血の改善を阻害している。この血管外溶血を改善するためには,C5より上位のC3などを標的とする必要がある。エクリズマブ導入時の髄膜炎菌ワクチン接種が義務付けられているが,近年,本邦でも髄膜炎菌感染症による死亡例が報告され,可能な対策を迅速に講じる必要性が生じている。