Topics「身近な話題・世界の話題」(162)
FLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病に対するmidostaurin併用化学療法
清井仁
1
Hitoshi Kiyoi
1
1名古屋大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学 教授
pp.410-414
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201803410
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Midostaurinは,Protein kinase C(PKC)に対して阻害活性を有するマルチキナーゼ阻害剤として知られていたが,FLT3に対する阻害活性を有することから,当初よりFLT3遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病(AML)に対する治療薬としての開発が進められてきた。Midostaurin単剤では有効性は見いだされなかったが,今回FLT3遺伝子変異陽性AMLを対象としたランダム化試験において,初めて従来の標準的化学療法と併用することによって全生存率を向上させることが証明された。Midostaurinは2017年に米国FDAで承認され,現在,日本での承認を目指した臨床試験が開始されている。