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—急性骨髄性白血病に対する新規治療—FLT3阻害薬とFLT3遺伝子変異検査
中島 麻梨絵
1
,
清井 仁
1
1名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学
pp.1254-1257
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207796
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はじめに
急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)は分化・成熟能が障害された幼若骨髄系細胞のクローナルな自律性増殖を特徴とする造血器悪性腫瘍である.AMLの治療は,標準化学療法としてアントラサイクリン系抗腫瘍薬とシタラビンの併用を主体とした治療が行われており,若年成人では約8割が完全寛解(complete remission:CR)に到達し,5年生存率は約5割とされる1).再発例も多く存在し,診断時に個々の患者の予後を予測し治療戦略を組み立てることが重要となる.
患者側要因として年齢,全身状態や合併症の有無,白血病細胞側要因として染色体核型,発症様式,初診時白血球数,細胞形態などが予後層別化因子とされる.染色体核型による予後分類が汎用されており,染色体核型に基づき予後良好群,中間群,不良群の3種類に大別されるが,約40〜50%の症例では染色体核型は正常であり,その予後も多様である.
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