特集 疾患特異的iPS細胞を用いた病態研究と創薬
序 ~疾患モデル研究へのiPS細胞の活用
大津真
1
Makoto Otsu
1
1東京大学医科学研究所 幹細胞治療研究センター 幹細胞プロセシング分野/ステムセルバンク 准教授
pp.333-336
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201803333
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iPS細胞の医学研究への応用例として,疾患をモデル化して病態解明,創薬へとつなげる,研究ツールとしての活用法が挙げられる。疾患特異的iPS細胞は,患者自身の細胞を使用可能であり,不死化により繰り返しの研究試行を可能とし,また多分化能により様々な標的細胞に分化誘導しうる等,いくつかの特長を併せ持っており,従来の疾患モデルでは成し得なかった新たな疾患研究が可能となっている。ゲノム編集技術と組み合わせることで今後,単一遺伝子病のみならず,その他多くの難病に対しても応用され,画期的な創薬へと結びつくことが期待される。