特集 血栓溶解療法の今
序 ~わが国における血栓溶解療法の現状~
山田典一
1
Norikazu Yamada
1
1三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学 准教授
pp.1375-1379
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201710017
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血栓溶解療法は,主に血管の血栓性閉塞に対し,迅速に血栓を溶解することで重要臓器への再灌流を得るために有効な治療法であるが,一方で重篤な出血性合併症の発生頻度を増加させる危険もはらんでいる。元々,対象疾患により発症から治療開始までのtime windowや適切な使用方法も随分と異なっているが,カテーテル治療の進歩やエビデンスの集積に伴い,適応も変化してきており,わが国でも急性心筋梗塞や急性肺血栓塞栓症に対する本治療の使用患者はより限定的となりつつある。