特集 CAR(キメラ抗原受容体)-T細胞療法の実用化へ向けて
序 ~脚光を浴びるCAR-T細胞療法の現状と今後の課題~
小澤敬也
1
Keiya Ozawa
1
1東京大学医科学研究所 附属病院長、同 遺伝子・細胞治療センター長、同 先端医療研究センター・遺伝子治療開発分野 教授/自治医科大学 免疫遺伝子細胞治療学タカラバイオ)講座 客員教授
pp.937-941
発行日 2017年6月30日
Published Date 2017/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201707017
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遺伝子改変T細胞療法の1つとして,CAR-T細胞療法が脚光を浴びている。特に,CD19抗原を標的とするCAR-T細胞療法は,再発・難治性の急性リンパ性白血病に対して驚くべき治療効果を発揮している。今後の課題としては,CD19抗原以外の適切な治療標的を見出し,対象疾患の幅を拡げていくことである。固形がんの場合は,さらにプラスαの工夫も必要と考えられている。その他,ゲノム編集技術の応用では,アロのユニバーサルCAR-T細胞療法の開発,CAR-T細胞のPD-1遺伝子破壊による抗がん作用増強を狙った開発などが進められている。