特集 巨核球造血と血小板産生の新知見
2.巨核球造血の微小環境
田村彰吾
1
,
井上克枝
3
,
小嶋哲人
3
Shogo Tamura
1
,
Katsue Suzuki-Inoue
3
,
Tetsuhito Kojima
3
1名古屋大学大学院医学系研究科 医療技術学専攻 病態解析学講座 助教
3山梨大学大学院 総合研究部 医学域 臨床検査医学講座 教授
pp.811-820
発行日 2017年5月30日
Published Date 2017/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201706037
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
巨核球造血(megakaryopoiesis)は,造血幹細胞から成熟巨核球までの段階的分化・成熟過程である。巨核球の分化・成熟については転写因子に関する研究が特に進んでおり,巨核球の細胞自律的な分化メカニズムの解明は目覚ましい。一方,造血幹細胞を含む血球細胞の維持・分化・成熟はすべからく周囲の環境に強く影響を受けることが知られ,巨核球系細胞も骨髄(もしくは骨髄外の組織)の環境により分化・成熟が厳密にコントロールされる。本稿では,巨核球造血に対する微小環境の概観を文献的考察も交えながら紹介する。