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増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
3章 骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)
2 BCR-ABL1陰性非定型慢性骨髄性白血病(aCML)
atypical chronic myeloid leukemia(aCML)
吉川 直之
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.932-933
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206167
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BCR-ABL1陰性非定型慢性骨髄性白血病(atypical chronic myeloid leukemia:aCML)は,骨髄異形成と骨髄増殖性の特徴を併せ持ち,CML(chronic myeloid leukemia)類似の病像を呈するが,フィラデルフィア(Philadelphia:Ph)染色体やBCR-ABL1融合遺伝子が認められない病型である1,2).診断基準を→表11,2)に示す.原則として好中球系細胞の異常があり,異形成を持つ好中球とその前駆細胞が増加することによって,白血球増加を来すのが特徴である.しばしば他の血球系の異形成も伴う.臨床症状では,貧血の頻度が高く,脾腫も認められることがある.aCMLの頻度は不明であるが,BCR-ABL1陽性CML100例に対して1〜2例程度といわれている.高齢者に好発し,BCR-ABL1陽性CMLよりも予後不良である.10〜40%の患者は急性骨髄性白血病に進展する.
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