診断のポイント
再生不良性貧血
浅井 一太郎
1
1虎の門病院・内科
pp.1273-1274
発行日 1966年9月10日
Published Date 1966/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201460
- 有料閲覧
- 文献概要
再生不良性貧血とは
この貧血の本態は,骨髄における造血機能がなんらかの原因によつて障害されるために赤血球の造成が減じてくることにある。この造血機能の障害は造赤血球系細胞だけにかぎられている場合もまれにはあるが,多くの場合には顆粒白血球造成系および血小板造成系のいずれか一方または双方の細胞にも波及しており,したがつて貧血とともに白血球,血小板の減少をも伴つている場合が多い。
いずれにせよ治療ははなはだしく困難であつて,まだ適確な治療法は発見されておらず,種々の造血薬,輸血,ステロイドホルモン,抗生物質などを適当に組み合わせて,血液細胞の欠乏を補うとともに種々の合併症を極力防いで患者の生命を保持し,自然寛解のくるのを期待するほかはない。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.