連載 血液今昔物語 血液病-原典・現点
第35回 シークエンス技術の進歩 ~Frederic Sangerの貢献~
宮田敏行
1
Toshiyuki Miyata
1
1国立循環器病研究センター 脳血管内科 シニア研究員
pp.268-274
発行日 2016年1月30日
Published Date 2016/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201602114
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原典 Sanger F, Nicklen S, Coulson AR:DNA sequencing with chain-terminating inhibitors. Proc Natl Acad Sci U S A 74:5463-5467, 1977. 要旨 DNAの新規な塩基配列決定法であるジデオキシ法を述べる。一本鎖DNAを鋳型にオリゴヌクレオチドをプライマーにして,DNA合成酵素でDNA鎖を伸長させる。この反応液にジデオキシヌクレオチド三リン酸を混在させると,ジデオキシヌクレオチドが取り込まれたDNA鎖はDNA合成酵素での伸長が停止する。4種のジデオキシヌクレオチド三リン酸で停止した反応液を,変性ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動し,オートラジオグラフィーで塩基配列を決定する。本論文は65,700回以上引用され,その後のヒトゲノム解析に大きく貢献した。