特集 ホジキンリンパ腫
1.ホジキンリンパ腫の病理診断
中峯寛和
1
Hirokazu Nakamine
1
1日本バプテスト病院 中央検査部 主任部長
pp.175-186
発行日 2016年1月30日
Published Date 2016/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201602021
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ホジキンリンパ腫(HL)の病理診断学は,腫瘍全体の病理診断学のプロトタイプと考えられる。HL以外のリンパ腫に比較すると,HL分類の変遷過程には“ブレ”が少なく,診断に際して臨床像および形態学的所見の比重が大きい。現在,本腫瘍は古典的HLと結節状リンパ球優勢型とに二大別されるが,前者の分類は一定した基準でなされるわけではなく,まず結節硬化型とそれ以外の病型とに分けられる。HLの大きな特徴の1つとして,組織に占める腫瘍細胞の割合が極端に少ないことが挙げられ,病理診断に際しては背景の観察が特に重要である。