特集 妊娠・分娩と血液異常
3.妊娠中に血小板減少をきたす病態と疾患
渡辺尚
1
Takashi Watanabe
1
1自治医科大学 産婦人科 准教授
pp.1441-1447
発行日 2015年9月30日
Published Date 2015/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201510039
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妊娠中に発見される血小板減少をきたす病態のうち,最も多いのは偽血小板減少で,次いで妊娠性血小板減少症,さらに妊娠高血圧症候群,特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病と続く。鑑別診断には,病歴聴取,血液塗沫標本を用いての目算が有用である。血小板数10万/μL以下が続く場合は,その原因,診断,治療を確実にする目的で,血液専門医に指導を求めるべきである。特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病合併妊娠では,妊娠中は血小板数3万/μL以上,分娩時は,経腟分娩であれば血小板数5万/μL以上,区域麻酔下による帝王切開であれば8万/μL以上維持を目標とする。